ギターはアコギ・エレキ共に弦を弾いて音を出す楽器です。
その際に、指で弦を弾いて音を出す『指弾き』と、ピックを使用し弦を弾く『ピック弾き』があります。
そのピックに関しては、今や数えきれないほどの種類があり、初心者の方にとってはどの種類を選べば妥当なのかが判断できないことが多々あります。
そこで今回はその『ピック弾き』に焦点を当て、最初は「どのようなピックを選べば良いのか?」また、「どのようなピックがおすすめなのか?」について解説していきます。
まずは、ピックを選ぶときの大事なポイントから見ていきましょう!
ピックを選ぶときの大事なポイントはこの3つ!
ピックを選ぶときの大事なポイントは以下の3つです。
- ピックの形
- ピックの厚さ
- ピックの素材
それではこの3つのそれぞれの種類と特徴を見ていきましょう!
ピックの形
まずは1つ目のポイント、ピックの形から見ていきましょう。
ピックの代表的な形は以下のようなものがあります。
- ティアドロップ型
- トライアングル型
- ジャズ型
- サムピック
それでは、それぞれの形を順を追って説明して参ります!
ティアドロップ型
ティアドロップ型は、ギターピックの中で最もスタンダードな形で、まるで涙の雫のような形状がその名前の元となっています。
その特徴は以下の通りです。
- ピックの先端が細く、弦に接する面積が小さい
- どのようなプレイスタイルにも無難に対応できる
- 特にエレキギターでニーズが高い
このような特徴があり、細かい単音フレーズ・コードストローク・アルペジオなど、1曲中でいろいろなパターンのプレイスタイルに変化するギタリストに向いています。
どちらかというと、エレキギターを使用する方に人気が高いですが、もちろんアコギでも定番のピックといえます。
初心者の方は必ず試しておきたいピックの形の1つです!
トライアングル型(おにぎり型)
トライアングル型は、別名おにぎり型とも呼ばれ、正三角形に近い形をしています。
その特徴は以下の通りです。
- 弦に接する面積が大きい
- ピック自体の面積も広く、指で挟んだときに安定感がある
- コードストロークに相性が良い
- 3つの角、どこを使って弾いても良い
このように、ピック自体の面積が広くしっかり挟めるため、演奏中の安定感は抜群です。
その反面、細かい・速いフレーズの単音弾きには不向きで、どちらかというとコードストローク中心のアコギの方に人気があります。
また、3つの角のどこでも使えるのでティアドロップ型に比べて3倍長持ちでお得です!
このトライアングル型も、前述のティアドロップ型同様定番の形であるため、初心者の方は必ず試しておきたいピックの形の1つです!
ジャズ型
ジャズ型は、多くのジャズギタリストが好んで使用することからそう呼ばれ、ジャズに限らずテクニカルプレイヤー向きのピックです。
その特徴は以下の通りです。
- ティアドロップ型よりも先端が尖っており、小型である
- 細かいフレーズ・速弾き・アルペジオなど繊細なプレイに適している
- コードストロークには不向き
要するに、複雑・難解なフレーズや、速弾きなど小回りの必要な場面にベストマッチする形のピックです!
逆に、シンプルなコードストロークにはピックが小さすぎて安定しないため、不向きといえます。
一般的に、弾き語り系の方やギターを始めたばかりの方は避けた方が良いでしょう。
サムピック
サムピックは、前述した3つのピックとは異なり、親指にはめた状態で使用するちょっと特殊なピックです。
その特徴は以下の通りです。
- フィンガーピッキング時に爪の代わりとして使用する
- 親指担当の低音弦の音がしっかりと出せる
- 親指にはめて使用する感覚は独特で、慣れが必要
ということから、指弾きアルペジオのアクセント役として使われることが多く、特にカントリー系などのスリーフィンガースタイルにマッチします!
普通の単音弾きやコードストロークをメインで使用するケースは稀ですが、親指に固定することで弾きやすく感じ、使用する方もいるようです。
この辺りは好みの問題になってきますので、一度使用し、その感覚をチェックしてみてください。
ピックの厚さ
次は2つ目のポイント、ピックの厚さについてです。
ピックの厚さは主に、以下の4種類で構成されています。
- Extra Heavy
- Heavy
- Medium
- Thin
Extra Heavyが1番厚く、下に行くほど薄くなっていきます。
それでは、それぞれの厚さとその特徴を説明して参ります!
Extra Heavy
Extra Heavyとは、厚さ1.15mm以上の極厚ピックのことを指します。
当然、弦への当たり方も最も強く、ゴツくはっきりしたパワフルなサウンドが得られます。
また、ほとんどしなることがないため、速弾きなどのスピーディーな演奏に向いています。
このような特徴から、ハードロック・ヘビーメタル系のギタリストが好んで使用します。
弦への引っ掛かりも強く、ピックのコントロールが難しいため、初心者の方にはハードルの高いピックの厚さといえるでしょう。
Heavy
Heavyとは、厚さ0.9〜1.0mm程度のピックのことを指します。
前述したExtra Heavyほどではありませんが、『厚めのピック』の部類に入り、はっきりしたパワフルなサウンドが得られます。
ピックのしなりは少し感じられ、どちらかというと単音弾き・速弾きを多用するギタリスト向きですが、コードストロークにも対応可能な厚さです。
このような特徴から、ロック系はもちろんポップスなど幅広いジャンルに対応可能なピックといえます。
厚めのピックで少々手強いですが、初心者の方は「しっかりした確実なピッキングを身につけたい!」と思っているはずです。
この厚さで弾きこなせるようになれば、どんな厚さのピックでもコントロールが容易になってきますので、是非チャレンジしてみてください!
Medium
Mediumとは、厚さ0.6〜0.8mm程度のピックのことを指します。
硬すぎず柔らかすぎず、一般的にはこのMediumが標準の厚さとなっています。
ピックのしなりは適度にあり、コードストローク・単音弾き共にそつなくこなしてくれるピックで、どのようなジャンルにもオールマイティーに対応できます!
弦への当たりも適度にあるため、弦を弾いてる感触がしっかりと感じられます。
ギターを始めたばかりの方に1番おすすめしたいピックの厚さです!
Thin
Thinとは、厚さ0.5mm以下のピックのことを指します。
とても薄く柔らかいため、1つ1つの音をしっかり鳴らすことは苦手で、コードストロークを得意としています。
ピックのしなりがとても強く、弦に当たっている感触が最も弱いのも特徴です。
初心者の方にとって1番弾きやすいピックではありますが、強弱のニュアンスが表現しにくく、後々厚めのピックを使用せざるを得なくなってきます。
ギターを弾き始めるきっかけとしては適していますが、その後のスムーズな上達を考え、できればMedium以上のピックを使用したいところです!
ピックの素材
最後に3つ目のポイント、ピックの素材についてです。
ピックの素材の代表的なものは、以下の4種類です。
- セルロイド
- ナイロン
- トーテックス
- ウルテム
それでは、それぞれの素材の特徴を見ていきましょう!
セルロイド
セルロイドは、昔ながらのギターピックの超定番素材で、今なお多くのギタリストがメインで使用しています。
弦への絡みが良く、弦を鳴らしたときの倍音も適度にあり、美しいサウンドを奏でることができます。
一方、削れやすい・割れやすいなど、耐久性はあまり良くありません。
しかし、軽い・滑りにくい・クセがないなど、弾きやすい要素が揃っているところが最大の魅力です!
初心者の方は、最初に試しておきたい素材です。
ナイロン
ナイロンは、繊維製品にも使用されるかなり柔らかめの素材です。
よってナイロン製のピックは、弦への当たりも優しく、柔らかくマイルドな音質となります。
また柔らかい割りに、摩擦に強く削れにくく割れにくいので、思いのほか長持ちします。
材質的には弦への抵抗が少なく、スムーズなコードストロークが可能ですが、指で握っている部分が滑りやすいという欠点もあります。
クリーントーンを得意とするため、アコギとの相性がとても良い素材です!
トーテックス
トーテックスは、ジム・ダンロップ社が独自に開発したピック素材で、ざらっとした触り心地が特徴です。
『ざらっとしている=滑りにくい』ということから、汗かきの方に特に人気があります。
セルロイドに比べ耐久性にも優れていて、削れにくく割れにくいというメリットもあります。
一方、価格は少し高めですが、ランニングコストを考えると、十分お買い得といえる商品です!
ウルテム
ウルテムは、人間の爪に似た質感が特徴の素材です。
そのため、自分の爪で弾いてるかのような適度に引っかかる感触で、細かなニュアンスを表現するのに向いています。
他の素材に比べ多少高価ですが、耐久性は高く、結果的にコストパフォーマンスは高いといえます。
クリーントーン・アルペジオなどに相性抜群ですので、これらのプレイ中心の方にはもってこいの素材です!
おすすめのギターピック5選はコレ!
ここまで、ピックを選ぶときの大事な3つポイントについて解説してきました。
それぞれのプレイスタイルに合わせたものを選ぶことも大切ですが、今回は標準を知ることを重視して『初心者の方におすすめのギターピック5選』を紹介していきます。
まずは、これらのピックを使ってみて自分の中での基準を作るのが大切です!
FENDER / 351 Shape Medium
FENDER / 351 Shape Mediumは、ギターピックの中で最もスタンダードなティアドロップ型です。
ピックの厚さもMediumと、こちらも標準仕様ですので、初心者の方にまず最初に使っていただきたいピックです。
メロディー弾きもコードストロークもこなせる万能タイプで、ピックの基準を知るのに最も適したタイプです。
自信を持っておすすめいたします!
FENDER / 351 Shape Heavy
FENDER / 351 Shape Heavyは、前述したピックの厚さが一段階厚くなったタイプの商品です。
ティアドロップ型ですが厚さはheavyですので、Mediumに比べ、弦への抵抗は強くなります。
最初は弾きにくく感じるかもしれませんが、Mediumに慣れてきて『もっと強くしっかり弾きたい』という気持ちの強い方におすすめです!
FENDER / 346 Shape Medium
FENDER / 346 Shape Mediumは、トライアングル型のピックで、ティアドロップ型に次いで需要の高いタイプです。
ティアドロップ型に比べ面積が広く、握りが安定することから、コードストロークを中心とするプレイスタイルのギタリストに人気があります。
厚さもMediumで、程好くしなってくれるため、とても弾きやすいピックです。
メロディー弾きよりもコードストロークが主体の方、特に初心者の方におすすめしたいピックです!
FENDER / 346 Shape Heavy
FENDER / 346 Shape Heavyは、前述した商品の『厚さがheavy』のバージョンです。
コードストローク主体だが、Mediumよりも強いアタックが欲しい方におすすめです。
ピックが厚い分、弦への絡まりも強いため多少の慣れが必要になりますが、使いこなすことができれば、ダイナミクスの大きなプレイが可能になります!
JIM DUNLOP / TORTEX PITCH BLACK JAZZ III / 0.88
JIM DUNLOP / TORTEX PITCH BLACK JAZZ III / 0.88は、ジャズ型のピックで、より細やかなメロディー弾きや速弾きに適したピックです。
厚さは0.88mmで、heavyよりのmediumです。
ざらっとした触り心地で、滑りにくく耐久性のよい、トーテックス素材を使用しています。
初心者の方でもジャズギタリストや、テクニカル系のギタリストを目指している方は、最初からこのピックを選ぶのもアリです!
一方、コードストロークには小さすぎて安定しないので、自分のプレイバランスを考えて選びましょう!
まとめ
今回は『初心者の方におすすめのギターピック5選』ということで、必ず最初に試してもらいたい商品・自分の中に基準を作ることを目的とした商品をとりあげてみました!
これらのおすすめピックの選び方として最初は以下のように試していくと良いでしょう!
- 定番中の定番、ティアドロップ型のMediumから使用
- コードストローク主体ならトライアングル型のMediumを使用
- メロディー・速弾き主体ならジャズ型のMediumを使用
- 慣れてきて、よりダイナミクスを求めるなら厚さをheavyに変更
というような順番で試していき、最終的に自分の進む道がどのようなスタイルかを考え、チョイスしていきましょう!
これから弾きたい音楽のジャンルにも左右されるので、しばらくは答えは出ないでしょう。
そんな時には、1のティアドロップ型のMediumをとりあえずメインで使ってみてください!
これが使えれば、案外どんなピックでも対応できるはずです!
ただしこの中に取り上げていない、厚さthinのピックはやめておきましょう。
この厚さのピックは、強く弾こうが弱く弾こうが同じ音量になってしまいます…
そうです!強弱をつけることが苦手なギタリストになってしまうので、基礎ができあがるまでは使用禁止にしてください!
以上のことに気をつけ、自分の理想のピックを見つけていきましょう!
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