ギターアンプは、エレキギターの特性をフルに発揮するために、必ずセットで揃えなくてはならないものです。
しかし、自宅で練習することの多い初心者の方にとって気になるのは、ギターアンプの価格・性能もさることながら、もっと心配なのは音量の問題です。
音量が気になるあまりに生音で練習する方もいますが、音の出し方に慣れていない初心者の方には、あまり適した練習方法とはいえません。
なぜなら「こういう風に弾いたらこんな音になるのか!」といった感覚はアンプを通さないと実感できないからです!
『田舎の一軒家で周りは田んぼだらけ』みたいな環境であればガンガン音を出しても問題ないのでしょうが、実際にはそのような環境はほとんどありません。
当然、都心部のような集合住宅の多い場所になればなるほど、その悩みも大きくなってきます。
- 自宅でも気兼ねなく練習できるギターアンプが欲しい
- 基礎をしっかり学べるギターアンプが欲しい
- あわよくば、自宅・ライブの両方で使用可能なアンプが欲しい
今回はこのようなニーズにお応えできる『おすすめの小型ギターアンプ5選』をピックアップして解説致します。
しかしその前に、ギターアンプの音量・品質に直結する「どこまでが小型アンプなのか?」「おすすめメーカーは?」といった基礎知識は必要です。
まずは、ギターアンプの大きさによる傾向と、おすすめメーカーから見ていきましょう!
小型ギターアンプとは?
さて、小型ギターアンプとは、どのようなものを指すのでしょうか?
ギターアンプの大きさには次の2つの要素があり、それぞれの側面から見ていくことが必要です。
- サイズ的な大きさ
- 音量の大きさ(ワット数の大きさ)
それでは、具体的にどのような特徴があるのか見ていきましょう!
サイズの大きさから区別する
ギターアンプのサイズは、手のひらに乗る小さなものからタンスくらいの大きなものまで、いろいろなサイズが存在します。
当然大きなものほど重く、持ち運び・保管が大変ですので、できるだけ小さなものを選ぶことをおすすめします。
ここでは小型ギターアンプを選ぶことが目的ですので、以下のサイズを目安にすると良いでしょう。
- 幅×高さ×奥行=40(W)×40(H)×20(D)cm以下
- 重量=5kg以下
まずは、上記『サイズから見た小型の目安』を満たしたものを中心に探していくことをおすすめします!
音量の大きさから区別する
冒頭で述べましたように、ギターアンプの音量の大きさは、自宅練習用のアンプを選ぶときの重要なポイントとなります。
その単位はワット(W)で表され、数値が大きいほど音量も大きくなります。
使用環境に合わせた、ワット数の目安は次のようになります。
- 自宅練習用(〜20W)
- 中規模会場(20〜60W)
- 大規模会場(60W〜)
非常にザックリとした分け方ですが、とりあえずこれを参考にしてください。
『音量から見た小型の目安』としては、自宅練習用がそれに該当します。
注意したいのは、必要以上に大きなワット数のアンプで、小さな音を無理に出すとかなりショボい音になることです。
例えば、50Wで10%のボリュームよりも、10Wで50%までボリュームを上げられる方がベターなのです。
ということで、自宅練習用のアンプは20W以内を目安に選びましょう!
ギターアンプのおすすめメーカー
次にギターアンプのおすすめメーカーを下記にあげておきます!
- MARSHALL
- FENDER
- ROLAND
- VOX
- YAMAHA
などなどです。
今回の、『おすすめの小型ギターアンプ5選』に含まれてないメーカーもありますが、上記メーカーはいずれも自信を持っておすすめできるメーカーばかりです。
是非参考にしてください!
おすすめの小型ギターアンプ5選はコレ!
ここまで、ギターアンプの『大きさ・メーカー』について解説してきました。
それらの解説内容から、初心者の方にピッタリの自宅練習用ギターアンプを以下にまとめてみました。
- 『ギターアンプのおすすめメーカー』であげたメーカーのアンプ
- 40(W)×40(H)×20(D)cm以下の小型アンプ
- ワット数は20W以内
一般的には、上記条件を満たしたものが理想となります!
また今回紹介するアンプは、この条件を満たしたものを中心に、以下の計5点のギターアンプを揃えてみました。
- 出来るだけ音量を抑えた超小型アンプ1点
- 自宅練習用に標準的な小型アンプ2点
- 小さな会場でのライブも可能な小型アンプ1点
- 超小型〜大型の要素を備えた中型アンプ1点
なお、ここで取り上げているギターアンプの種類は、取り扱いしやすく性能の安定しているトランジスタアンプのみとなっています。
それでは、いよいよ『おすすめの小型ギターアンプ5選』を解説して参ります!
BLACKSTAR / FLY3
BLACKSTAR / FLY3は、手のひらに乗るほどの超小型サイズのギターアンプで場所を取らず、出力は3Wと自宅練習で必要な音量は十分得られます。
3Wのトランジスタアンプですのであまり音質には期待していなかったのですが、かなり研究開発されているようで、実際使ってみるとクリーン・ドライブチャンネル共に非常に良い音です。
このように自宅で音量を抑えつつ、クオリティーの高い音質が得られるため、隣家からのクレームが気になる方にとてもおすすめのアンプです!
また、その他の機能としては、以下のようなものが搭載されております。
- 空間系エフェクトには、ディレイ
- Bluetooth機能
- 電池駆動に対応
- ヘッドホン端子
自宅はもちろん、場所を選ばず練習を楽しみたい方には、それぞれが嬉しい機能ですね。
本体価格は8,000〜9,000円となっておりますが、超小型で3Wの出力という限られた音量でこれだけのパフォーマンスを発揮できるアンプは他には無く、十分おすすめの小型アンプといえるでしょう!
アダプターは別売となっており、合わせて購入すると価格は10,000円を超えてきますのでご注意ください。
VOX / Pathfinder 10
VOX / Pathfinder 10は、ギターアンプとしての基本性能にこだわり、余分な機能を一切排除したシンプルな機能のトランジスタアンプです。
出力は10Wで、自宅練習であれば十分なパワーですし、クリーン・ドライブチャンネル共にしっかりとしたサウンドです。
トレブル・ベースの2バンドイコライザーと夜間の練習に重宝するヘッドホン端子が搭載されています。
これで価格は6,000円前後に抑えられており、初心者の方にとっての最初のアンプとしてはもってこいです!
このアンプで基礎をしっかり身につけておけば、より複雑な機能のアンプにも対応しやすくなります。
私の教室の生徒さんも、このアンプからスータートする方がとても多いです。
YAMAHA / GA15II
YAMAHA / GA15IIは、前述のPathfinder 10と同様、基本性能をしっかり押さえた自宅練習用トランジスタアンプです。
出力は15Wとなっており、前述した2つのアンプを試奏したけど「もう少し音量を上げてもいいな…」と思われた方には、こちらのアンプの方が満足度は高いでしょう。
サウンド面は、クリーン・ドライブチャンネル共に存在感があり、特に美しいクリーントーンには定評があります。
また、トレブル・ミドル・ベースの3バンドイコライザーが搭載されており、より細かな音作りができます。
さらに、夜間の練習に心強いヘッドホン端子も装備されています。
こちらの商品も価格は6,000円前後となっており、コストパフォーマンスが高く、初心者の方におすすめです!
MARSHALL / MG15R
MARSHALL / MG15Rは、オーソドックスなトランジスタアンプで、そのデザインはマーシャルの伝統的なゴールドパネルを基調としたものになっています。
出力は15Wとなっていますが、体感的にはそれ以上の音圧・パワー感があり、自宅練習用としてはもちろん、小規模な会場での使用も可能です!
また、ギターアンプのスタンダードである3バンドイコライザーと、アナログ式リバーブを搭載しており、より多彩な音作りができます。
他にもライン入力・ヘッドホン端子が装備されており、音楽を聴きながらの練習や、音が気になる夜間の練習にも対応できます。
自宅でもある程度大きな音量で鳴らせる方は、このくらいの少し上位クラスのアンプを使ってみるのもありです!
ただし、価格は16,000円前後と前述した商品よりも高くなっています。
ROLAND / Blues Cube Stage
最後に紹介するアンプ、実は中型になってしまうのですが小型の要素も合わせ持っており、とても魅力的な商品ですので紹介したいと思います。
『あわよくば、自宅・ライブの両方で使用可能なアンプが欲しい』といった冒頭で挙げたような贅沢な悩みにも答えてくれるギターアンプです。
ROLAND / Blues Cube Stageは、音量制限のある自宅練習から大音量が必要な大規模会場まで、幅広い場面での使用が可能なトランジスタアンプです。
なぜそんなことが可能なのかというと、実はこのアンプ、ワット数の変更が可能でありその環境に応じて出力を設定できてしまうんです。
設定は4段階で、60W・45W・15W・0.5Wです。
要するにこのアンプ1台あれば、超小型から大型アンプの特性が再現でき、全ての場面で使用できてしまう超優れものなのです!
サウンド面も、真空管アンプのような温かみのある音とソリッドステートの安定感、両方の良さを合わせ持っています。
その他のスペックとしては、以下内容が搭載されております。
- クリーン・クランチの2チャンネル+デュアルトーン
- ミッドブースト・ブライトスイッチ
- リバーブ
- レコーディング用USB端子
上記が装備されており、細かい音作りからレコーディングまで対応可能です。
前述したVOX / Pathfinder 10のような入門モデルを使い倒して、ライブもドンドンやっていきたいという意識が芽生えた方なら、必ずこのクラスのアンプも欲しくなってきます。
ただしお値段的には、80,000円前後とかなりお高くなっており、趣味でギターを始めようといった方には、ちょっとハードルの高いギターアンプかもしれません。
しかし初心者だけど最初からプロ志向の方で、自宅でもライブでも使用するアンプを1台で済ませたいという方には、逆に効率の良い買い物となること間違いなしです!
まとめ
さて『おすすめの小型ギターアンプ5選』の中から、自分に合った理想のアンプを見つけることはできたでしょうか?
今回の記事で取り上げたギターアンプは、最後のROLAND / Blues Cube Stageを除いて、自宅練習用に特化したものばかりです。
出せる音量の度合いや、音作りなどの好みに合わせて、チョイスしてみてください!
全てのアンプに共通して言えることで注意して欲しいのは、ある程度ボリュームを上げられる状態で使用したほうがいいということです。
大きすぎるアンプを買ってしまい、控えめなボリュームで音を出しても、そのアンプの性能を十分に発揮できません。
以上のことを注意して、自分にとって自宅練習にピッタリのギターアンプを見つけ出してみましょう!
この記事が、皆様のギターアンプ選びに少しでも役に立てれば幸いです。
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